BEAST COMPREX11話ネタバレ感想!花火じゃ消せない本音

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2021年6号から、週刊少年チャンピオンにて連載が始まった「BEAST COMPREX」。

板垣巴留先生の超人気作「BEASTARS」のスピンオフとして始まり、原点にして珠玉のオムニバス。この世にはまだまだ種族や性別の格差や隔たりがあり、その中で1匹ずつ違った悩みや苦しみがある。様々な種族同士の関わりを、読者は「ヒト科の動物」として読み解いていくと面白い、「獣人による群像劇」なのです。前作の主人公・ハイイロオオカミのレゴシやレゴシの周りの動物たちもたまに登場したり、前作からのファンにはたまらない展開や描写があったり、そのような所も楽しい作品です!

今回はそんな「BEAST COMPREX」11話ネタバレを紹介します。

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前話までのあらすじ

今回の舞台は高校。「地獄」という文字が彫られた甲羅を持つカメ・アブと、アブの後ろの席の学級委員のヤギ・キヨスミのお話。

アブとは話したことがない。「地獄」なんて文字があっては友達作りも大変だろうと余計なことを考えるキヨスミ。そんな彼女もいつしか誰かに指示を貰わないと動けない性格になっていた。その代わり、頼まれれば努力はするようにしてきた。だから、校舎内で煙草の吸殻が見つかれば現場を抑えて状況を見に行く。凄まれても「現場見てないと報告しづらいからそれで」と淡々と言う。告げ口が仕事か!💢とかかってこられた時、「ごめんそこ僕がいつも昼寝する場所」とアブが立っていた。

いつもは手足と首を引っ込めているが、この時は全身を出していた。その体にはたくさんの刺青が。その瞬間、不良たちは逃げて行った。キヨスミも初めて見るアブの全身にアブかどうかすらわからなかった様子。裏番長なの?と聞いてみると、裏でも表でもない、手足を伸ばすとみんなが道を開けるだけ。と一言。将来刺青の彫り師になりたくて自分で刺青を彫ったのだとか。そして続けてアブはこう言った。

「一度キヨスミさんのその危なっかしいツノを彫ってみたかったんだよね」

キヨスミのツノは後ろ側に湾曲し、いつしかツノが頭を突き刺すだろうと言われていた。日ごと月ごと死に近づいていることに、彼だけは気づいていた。おもむろにアブの後をついていくキヨスミ。着いた先はアブのアトリエ。借りている車庫には彫る道具や材料がたくさん揃っていた。

興味持つとは思わなかった、不良から助けてもらった礼としてならやめときな、切除考えてるの?と冷静に尋ねて来るアブにキヨスミは「わからない。いつしか指示がないと動けなくなってて、誰かに命を救われたかった。けど誰にも気づいてもらえず17年間バカみたい」と吐き出した。

「あのさ、いつか死ぬのは全生物同じだよ。みんな自分のことに精一杯だから気づいてなんか貰えないって。初めて彫ってもらった甲羅の刺青だって案外誰も言及してこない、そう考えると生きるのなんて楽チンだろ

そう言いながらキヨスミのツノに美しい草花の模様を彫ったアブ。その自分の姿に目を輝かせるキヨスミ。「さぁ花を咲かせに一晩出かけようか」そう言ってアブとキヨスミは一緒にあちこち歩き回って遊んだ。キヨスミは終始キラキラした笑顔で楽しんでいて、アブも満更でもなさそうな顔でキヨスミを見ていた・・・

一週間後。キヨスミは頭に包帯を巻いていた。久しぶりに自分の意思でツノを切除したのだ。クラスメイトにも顔が明るくなったと褒められた。あの夜のことは学校では話さないことがアブとの約束。いつも通りの日だけど、アブはきっとキヨスミの新たな一歩を祝福してくれている。

彼の地獄に小さな花が咲いていたから。キヨスミのツノに彫った花が、甲羅に彫られていた。

BEAST COMPREX11話ネタバレ

本能が生んだしがらみ

今回の舞台は大学。前作「BEASTARS」14巻・119話に出てきたライオンとウサギの異種族カップルのお話。

正直俺は異種族カップルってものをナメてた。ライオンだろうとウサギだろうと、適当にイチャついてデートしてたまに優しくすりゃそれなりにこなせると思ってたのに。食おうなんて毛頭思っていなかったのにちょうど1年前、「キスして」と言われたウサギの彼女に気付いたら牙を立てていた・・・キスすらまともにできないなんて。被害者のウサギ・アコハルの同級生で友達でした。急にキャンバス内で起きた流血事件にハルも驚いていました。

「傷を負った天使・アコ」と書かれたポスターをまじまじと見つめるライオン。そう、彼はアコの元カレのライオンです。しばらく会わないうちにアコは大学に戻ってきててミスコンにエントリーしていました。その事実に驚きながらもアコの現在が気になる様子。事件は示談で解決したけどもう別れているし、でもスマホでのやり取りは晒される可能性もある。

そう思った彼はテニス部だったことを思い出してテニスコートへ向かう。一度謝れば今後学内で会っても気まずくないと思ったのだ。でも元々自信家で荒々しい性格のメスウサギだからきっと、自慢の顔面に傷をつけた俺の股を蹴るか噛みつき返すか、俺の知ってるアコはそういう性格だ。などと思いながら恐る恐るテニスコートに入ると・・・

「エアド!?」
目を輝かせて飛びついてきたアコ。「会いに来てくれたの?嬉しい!ずっと連絡しようと思ってたの!エアドからは声かけづらいだろうからって。でもこうして会えた!」と満面の笑みで話しかけるアコの行動が予想外すぎて面食らっているライオン・エアドです💦
他のテニス部メンバーが彼氏?と寄ってくるとアコは明るく「この顔に傷をつけたライオンだよ♪」と応えた。未だに戸惑っているエアドと、沈黙が流れるその場・・・

アコから離れなさいよ!信じられないどのツラ下げて来たの!?と避難囂々なエアドをアコは庇い、「今日はエアドと帰るから」と断りを入れる。花火大会に行く予定があったようですがそれも断り、アコはエアドに訴えるような顔で「仲直りしたい・・・」と言ってきた。

おかしい、ぜってーおかしい。
エアドの思いをよそに、アコは明るくサークルメンバーたちに別れを告げた。アコの本音とは・・・?

「聞き出せない」本音

アコについて行きながら「やっぱりそうだ」と思うエアド。学校の敷地を出ていよいよ2匹になった所でエアドはようやく気付いた。

自分の立場をいち早く理解して上手く立ち振る舞う。アコは俺が知る誰よりも、怖い女だ。
さっきまでのキラキラの笑顔とは打って変わり、じとっとエアドを睨んで「あのさ」と声をかけたアコ。「何でよりによって今日会いに来たの?金曜日じゃん」第一声がそれだったアコに別に理由はないと応えるエアド。

「休日はさむと噂が立ちにくいでしょ。私が加害者を快く受け入れるイベントなんて月曜日じゃなきゃ意味がない。相変わらず考えなしね」そう吐き捨てるアコを気遣ってか、友達との花火大会を断らせたことを謝るエアド。でもアコは花火は興味ないし口が軽い子たちだから今日の事は広まるはずだとドライに言い放つ。

アコの後ろからついて行きながら、1年前につけた傷を見つめるエアド。目から後頭部にかけて円を描くようについた牙の後が生々しく残っている。一体何針縫ったんだ。真っ先にその傷のことを責めるかと思ったのにわけわかんねぇ・・・「アコ、花火興味ないならうち来て家飲みしない?」自分の思いを引きずらせながら何となくアコを誘ったエアド。

狭い男の一人暮らしの部屋でテレビを見ながらお酒の缶を開ける2匹。特に会話もなく、テレビでは「柴犬のムギがイケオジ路線で写真集150万部売り上げを達成」と放送されている。テレビの音を斜め聞きしながら「屋内で2匹きりになるの多分初めてだよな」と切り出したエアド。「そうかもね、元カノと家飲みなんてほんと下心丸見え」と、大学を出てからずっとエアドに対して風当たりの強いアコがそう返すも「そんなんじゃねぇよ」とエアド。

「だってアコの本音を聞くには誰にも見られない、見てくれを気にしなくていい所に行くしかないだろ」
今までは屋外デートばかりだった、アコが異種族カップルであることを周りに見せることに夢中だったから一度も腰を落ち着けて話し合ったことがなかった。今ならきっと・・・と言いかけてアコを見ると、アコは横になって目を閉じていた。「忘れてた、こいつ酒弱いんだった」

傷がある方を下にして横たわるアコを見つめるエアド。その顔には申し訳ない気持ちと哀れみの気持ちが伺えた。

「今可哀相って思ったでしょ」
しばらくしてアコの声が響いた。「この傷・・・そんなに痛々しい?」

そう言った瞬間、エアドの部屋を飛び出したアコ!どこへ行くの・・・!?

かき消せない本音を甘んじて

花火大会が始まった街に飛び出していったアコを追いかけるエアド。花火の轟音が2匹の耳にも響いている。

「同情なんていらない!私の傷は一生消えないの!だったらいくらでも利用するんだから!SNSのフォロワーだって100万匹突破してこの傷を元に自伝も出す!」「うぬぼれないで!あんたがつけた傷じゃないから!!」

アコ、花火の音にかき消されて俺だけが聞こえるアコの叫び。
「これは私がつけた傷よ!!!」走り叫ぶアコと、追いかけるエアド。それぞれを照らすように花火が夜空に打ちあがる。

傷のない方を花火が照らし、影になっている左のアコの腕を思わず捕まえるエアド。アコ、今までで一番、俺は今のお前が・・・
「す、好きだアコ!!もう一度ちゃんと付き合おう!!今度はファッションのカップルじゃなく本気で・・・!!」

突然のエアドの告白に一瞬女を見せたアコ。しかし少しの間を空けて「いいわよ」と口を開いたアコは、先程のじとっとした目で「じゃああなたは修復専門の医者になってそれまでずっと一途なまま開業医になった暁にもう一度告白して。それくらいのストーリーが私には必要だから」と言い放った。

ハハ・・・と乾いた笑いをするエアド。しかし「待っとけって・・・!」と力強い返事を返した。
アコの顔が再びキラキラになっていたからだ。アコはエアドの「本音」に希望を持ってくれたようでした・・・🎆

BEAST COMPREX11話感想・まとめ

今回は「BEASTARS」からの登場でしたね。ハルの大学の様子が明かされた時に急に起こってしまった悲劇。あの後のアコとエアドの関係は前作中では語られなかったので気にはなっていたのですが、またレゴシとハルとは違った異種族カップルのしがらみが垣間見えましたね💦

自信家のアコは「話題性のために」ライオンのエアドと付き合い始めたと前作でハルに自慢げに話していました。真剣にレゴシとの関係を考えていきたいハルにはアコの言動がわからず「大学に馴染めない」と悩んでいました。そしてエアドもなぜアコに牙を立てたのかわからず、ただ血まみれで倒れるアコを青ざめた顔で見つめていただけでした。結構アコは周りを振り回していたんですよね・・・本人に自覚がなかったのが怖い所で。

でも1年経って「これは私がつけた傷だ」という言葉でようやく自分の行動を見つめ直したのではないでしょうか。エアドが家に誘って「今までは屋外デートしかしなかった」と言った所で気付いた所もあったかもしれません。政治経済学部で妙に頭が切れて上手く立ち回れるアコだからこそ、自分の人生を「計算」で成り立たせようとしていて予想外のエアドの牙には対応できなかった。そのことをずっと気にしていた1年だったかもしれないですよね・・・

でもエアドの前では本音が言えたってことは、エアドを少なからず思っていた1年だったんでしょう。計算かもしれないけどエアドとこのままなかったことに、というのはアコ自身許せなかった。だからこそ、エアドが会いに来てくれたこと、家に誘ったこと、追いかけてくれたことが嬉しくて最後の笑顔だったのではないでしょうか。何だかんだ「腐れ縁」だったのかもしれないですねw

前作からのキャラクターのこんなドラマが見られる「BEAST COMPREX」も次回最終回!名残惜しいです💦
最終回も楽しみです!

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今回は、「BEAST COMPREX」の11話ネタバレを紹介しました!

が…

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