BEAST COMPREX10話ネタバレ感想!きっかけは何でもいい

wj‗nirakana BEAST CONPREX

2021年6号から、週刊少年チャンピオンにて連載が始まった「BEAST COMPREX」。

板垣巴留先生の超大作「BEASTARS」の原点にして珠玉のオムニバスとして連載されている「獣人」群像劇。この世界にはまだまだ種族や性別の壁があり、その中で1匹ずつ違う悩み苦しみがある。目まぐるしく動き続ける世の中で、それぞれの動物たちがどう生きているのかを、読者は「ヒト科の動物」として考え心を動かしてみると面白いと思います。

時々「BEASTARS」のキャラクターが登場したり、背景に描かれていたり・・・前作からのファンには嬉しい描写も。動物たちの迫力ある筆遣いや背景の美しさは前作から健在ですよw

今回はそんな「BEAST COMPREX」10話ネタバレを紹介します。

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前話までのあらすじ

9話は前作「BEASTARS」から、主人公のハイイロオオカミ・レゴシと「コーポ伏獣」の隣人・アザラシのサグワンの1日のお話。

サグワンとの銭湯の帰り、海の岩場で足をバタつかせているタコと出会ったレゴシ。どうやら娘タコが陸の動物に攫われてしまったんだとか。心配だから探すと言って出かけた10分後、タコの串焼きを売る屋台を見つけてしまった。

いつも気にも留めない海洋生物でも、誰かの特別な存在となると、そして串焼きにされるという残酷な現実を見てしまうとショックを隠せないレゴシ。でもサグワンは「起キテシマッタコトハショウガナイ」と、その串焼きを全部買い取ってムシャムシャ食べた!!😱

海では弱肉強食は生活の一部、知らない陸の動物に食べられるよりあのタコのお母さんも嬉しいはず、と言うサグワンの考え方に少し訝し気な顔をして距離を空けるレゴシ。を、気にもせず水たまりを見つけて遊ぶサグワン。海じゃない水っていつか消えてなくなるから好き、と言うサグワンがますますわからないレゴシ。

もう少し早く出会っていたら助けられたかもしれないのに何もできなかった、とレゴシがぼんやり考えていると「オ葬式ニ誘ワレタヨ」とサグワン。そしてタコの家族は2匹が参加しやすいように入り江に会場を設け、サグワンとレゴシは素っ裸で参列。
海での葬式は食物連鎖の一番下にいるプランクトンが光合成するために照明をたくさん焚く。今後も海の生態系を保っていくために。合理的だなぁと思っていたレゴシをタコが海に引き込んだ。「歓迎サレテル証拠ヨ」とサグワンも海に飛び込む。

冷たい水温は不思議と数秒で体に馴染み気持ちよくなった。海と一体化したレゴシは、海では生物の死を海の一部が失われたと考えるんだ、とぼんやり思う。そうして静かに葬式は終わり、タコの母はレゴシの腕に足を絡ませてから海へ帰っていった。

母タコの感情は読み取れなかったけど、感情をわかろうとするのもエゴな気がすると言ったレゴシにサグワンは「葬式デノレゴシヲ見テ心カラ感謝シタンダト思ウヨ」。その姿に「娘タコさんを食べた時嫌な態度取ってすみませんでした」と謝るレゴシ。

だがサグワンはからかっているのか、水たまりでまた遊んでいましたw
陸は海に敵うことはないけど、少しずつ分かり合って行こう。

BEAST COMPREX10話ネタバレ

「背負う」2匹

今回の舞台は学校。前の席には生まれつき「地獄」と書かれた甲羅を背負っているカメ・アブが座っている。その後ろに座るメスヤギ・キヨスミはぼんやりその甲羅を見ながら「友達作るの大変そう・・・」などと考える。

アブはいつも首と手足を甲羅にしまっている。アブとは会話したことがないキヨスミ。そんなキヨスミにアブは短いままの手でプリントを回す。プリントの上端が折れ曲がっていた。キヨスミは誰かの指示がないと行動に移せない性分、とぼんやり考えながら窓の外を眺める。

そんなキヨスミに先生からお願いが。「校舎内で煙草の吸殻が見つかったってホームルームで言ってたでしょ。怪しい生徒見かけたら学級委員のあなたから一言私に教えてね」わかりました、と、指示通りに休み時間隠れて喫煙している生徒の元へ行ってみるキヨスミ。指示されればそれなりに努力するのだ。

しゃがんで喫煙する生徒に「何見てんだよ」と言われても「先生に言われたから」と引きつった顔で言うキヨスミ。勉強のしすぎで頭おかしくなったか?学級委員が見てようが吸うけどな、と言われても「吸う所見ないと報告しづらいからそれで」と平静を装うキヨスミ。すると「告げ口が仕事かよ!💢」と食ってかかられたので言われたことをやってるだけで💦と宥めようとするキヨスミ。と、そこへ何かの気配を感じた。

「地獄」の甲羅だ。
「ごめんそこいつも俺が昼寝する場所」アブが顔と手足を出した状態で立っていた。顔、首元、両肩、両腿に刺青が入っていた。

「あ、アブさん!!💦」
すみませんアブさんシマだとは知らなくて、さーせん、と言いながら蜘蛛の子を散らすように去っていく不良たち。シマ?とアブはイマイチ話が噛み合っていない様子。いつも見ている甲羅と、よく見ると後頭部にもドクロの刺青が。展開についていけずただ困惑するキヨスミ・・・

静かな2匹の不思議な縁

不良が去った後、向かい合うアブとキヨスミ。見た目とは裏腹に「大丈夫だった?」とキヨスミを気遣うアブ。初めて見るアブの全身に「アブくんなの・・・?」と恐る恐る尋ねるキヨスミ。証明するためプリントの端が折れていたことを話しながら手足と首を引っ込めるアブ。いつも見ている「地獄」の彼だと認識しつつ「タトゥー隠すために手足引っ込めてたの?裏番長なの?」と尋ねるキヨスミ。

「裏番長でも表番長でもない。ただ俺が手足を伸ばすとみんなが道を開けるだけ」と再び手足と首を伸ばしたアブ。そして「ほとんど自彫り。彫り師になりたくて練習のため」と。アブは彫り師になるため自分で自分に刺青を彫っていたのだ。この際だとばかりにアブはこう打ち明けた。
「実は俺ずっとキヨスミさんを彫ってみたかったんだ。その危なかしいツノを」

ぽかんとするキヨスミ。ヤギのキヨスミは重そうなツノが湾曲し、いずれ頭を突き刺すだろうと医者に言われている。だけど自分で決断することができない性分ゆえ、踏ん切りがつかないでそのまま伸ばしてしまっていたようです。私が日ごと月ごとに死に近づいていることに、彼だけが気づいていた。首を引っ込め歩くアブの後ろを少し離れてついて行くキヨスミ。

「ここがアトリエ」刺青の話を聞いたキヨスミが興味を持ち、アブのアトリエに招かれたようです。じいちゃんちの車庫借りてるだけだと言いつつ、殺風景な部屋に様々な道具が並んでいる。アブは早速作業用の回転椅子に座り道具を準備しながらも、「ヤンキーから助けてもらったお礼のつもりならやめときな」と釘を刺しておくアブ。そんなつもりでは、と否定するキヨスミに「すごくいいツノだから俺としては彫れるの嬉しいけど、切除でも考えてるの?」とアブ。

しかしキヨスミは「わからない」と一言。そのまま「私いつからか指示されないと行動に移せなくなっちゃってて」と話し出した。
きっと誰かに言って欲しかったんだと思う、そのツノ危ないんじゃない?とか切除しないと心配だよとか。誰かに命を救われてみたかったの。そしたら結局誰にも気づかれず17年間死に向かってた。バカみたい。

吐き捨てるように言ったキヨスミにアブは彫る道具を動かしながら「ふーん、あのさ」と切り出した・・・

楽チンに生きようぜ

「いつか死ぬのは全生物同じだよ」そう言いながらキヨスミのツノに彫り道具を入れたアブ!突然響く鋭い音に思わず「ひっ!!」と声を挙げたキヨスミ。

「皆自分のことで精いっぱいなんだからそんなに気を配ってなんか貰えないって。俺が初めて入れてもらった甲羅のタトゥーだって案外誰も言及してこない」「そう考えるとさ、生きるのなんてラクチンだろ」
そうアブが言い終わった時には、キヨスミの危なかしい2本のツノに、左右で違う花や植物が美しく彫られていた・・・

鏡を見せてもらうと、その美しさに思わずぱっと明るい顔を見せるキヨスミ。「草食獣には植物がよく似合うな」とアブも笑った。「さぁ、花を咲かせに一晩出かけようか」とキヨスミを外へ連れ出して・・・

フードコートでご飯を食べたり、プリクラを撮ってみたり、流行りの音楽を試聴してみたり、キヨスミは初めて自分のやりたいことを自分の意思でやっていた。終始楽しそうに笑うキヨスミに付き合うアブ。美しく変わったツノを誇らしげに見せながら、2人の楽しい一晩は過ぎて行った・・・

「え!?キヨスミツノ切除したの!?」
悩んでたけど一週間学校休んで手術してきたと話すキヨスミの頭に包帯が巻かれていた。びっくりしつつも顔つき明るくなったね、とクラスメイトに言われ満更でもない様子のキヨスミ。

一週間前のあの夜のことは学校では一切喋らないのがアブくんとの約束。いつも通り、回されるプリントをアブは引っ込めた短い腕でキヨスミに回す。プリントには「煙草を吸っていた生徒が自主報告してきた」と書かれていた。

私の初めての決断を彼は、たぶん祝福してくれている。
彼の地獄に小さな花が咲いていたから。

「地獄」を挟むように、アブの甲羅には花が新たに彫られていた。キヨスミのツノに彫ったあの花だった。

BEAST COMPREX10話感想・まとめ

今回の舞台は高校でした。以前の中学での事件のような生々しい悩みではなかったけど、本当に性別、世代、種族それぞれにいろんな悩みがあるなぁと改めて認識できた回でもあった気がします。そしてやはりどこにも本人たち次第でいくらでも「希望」ってあるなぁと。アブも将来いい彫り師になってる気がします。前作「BEASTARS」でメロンを彫っていたナマケモノの彫り師がいるお店とかで働いてたりして!?

アブがどのような経緯で刺青と出会ったのか、なぜ「地獄」だったのかは明かされていなかったのですが、彼にも何かしら悩み苦しんだ時期があっての出会いと決断だったんでしょうね。それが良くも悪くも「真面目」なキヨスミを変えるきっかけになったのなら、誰かの好きは誰かに必ず響くということでしょうか。そして意外と「指示がなきゃ動けない」と悩む人は多くて、それはきっと大人などの大きな存在からの「~でなくてはいけない」というプレッシャーが問題なのでしょう。

真面目なキヨスミがアブと遊んだ夜も、もしかすると学級委員だから模範でなきゃいけないなどのプレッシャーがあってできなかった遊びなのかもしれないですね。でも不良たちのようないけないことは決してしていないし、世の中には犯罪以外に「やってはいけないこと」ってないんだよなと思えるお話でした。やりたいことを思い切りやってるアブもキヨスミもいい顔してましたから。アブがいつも手足や首を引っ込めているのは「遠慮」なのかもしれませんがw

今回は「希望」があちこちにちりばめられたお話だったと思います。
次回も楽しみです!

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今回は、「BEAST COMPREX」の10話ネタバレを紹介しました!

が…

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